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【加部島の朝 佐賀県唐津市呼子町加部島】
誰もいない九州の北端のキャンプ場で目覚め、薄曇りの空の下でコーヒーを淹れていると、徐々に雲の切れ間から幾筋もの太陽光が差し込み出し、やがて玄界灘の水面が神秘的に輝き始めた。野宿の旅の魅力を説明する時にちょうどいい写真。珠玉な光景はいつも早朝かゴールデンタイムに現れる。
【雨上がりの阿蘇高原】
オートバイで移動中、阿蘇山の麓でスコールのような大雨にあたり、ずぶ濡れになった。少し雨宿りをして下り始め、長いトンネルを抜けると、はるか向こうの空を流れていくさっきの雨雲と、濃厚な香りを放つ雨上がりの湿った大草原が広がっていた。見たこともない景色に、温泉へ急いでいたのを諦め、濡れた身体のままカメラを取り出した。
【雨上がりの阿蘇その2】
あの牛になってみたい、と思うほどに丘の上の牛たちは幸せそうに見えた。
【小豆島の初夏】
方向音痴でよく道に迷うけれど、たまに勘が冴えている時には、ふと入った小道の先にこんな素敵な景観が広がっていることもある。
【別府の朝 大分県別府市】
別府の温泉を堪能した翌朝、徒歩で行ける別府の海はどんなものかと早起きして出向いてみた。薄曇りの空を残念に思いながら出かけたのに、それがかえって海面に浮かぶ漁船を幻想的に見せてくれた。
【出漁 大分県別府市】
比較的新しい船が多い中で、手前はかなり年季の入った船だった。初老の漁師の無駄のない動きは、何か神聖な儀式のようにも感じられ、しばらくその所作を眺めていた。
【ニセコ霜月 北海道虻田郡】
せっかく北海道に来たので、朝日が出る前に高台へ上がり、寒さと戦いながら大地が刻一刻と変化していく様を見ていた。甲斐あって、太陽が上がると共に、朝靄が見たこともない黄金色に輝き始めた。
【天国への階段 日光市小丸山展望台】
振り向いたら思っていたよりとんでもない所に来ていた。1,445段あるという目先の階段に集中していたら気がつかなかった。意外と人生もこんな感じなんだろう。
【薄暮の瀬戸内 愛媛県 松山道 伊予灘SA】
愛媛から徳島のフェリー乗り場へ急ぐ高速道路のSAから見た夕暮れ。東京とはまるで違う、どこまでも広がる四国の空と瀬戸内の輝きに圧倒され、徳島まではもう休憩を取らないと決めて、時間の許す限り移りゆく景色の下にいることにした。
【信州の山桃 長野県阿智村】
長野の春はなるほど「山が笑っている」と思う。新緑萌ゆる山並みや、天竜川へ下る水の流れには、命の呼吸のようなものが確かにある。5月の信州はどこを走っても楽しい。
【ひまわり畑 長野県下伊那郡】
国道を走っていると突然視界に見事な黄色の花々が現れ、思わずUターンした。地元の人に聞くと、収穫するでも卸すでもなく、単に人の目を楽しませるためだけに毎年植えられているらしい。手間も暇も金もかかるのに、ひまわりも美しいが、この畑を手がけた人の動機はそれより美しい。
【紅葉の富士】
この場所を見つけてから何度も足を運び、5年目かけてこの絵が撮れました。もちろん現像以外に一切の加工は無し。狙った風景写真を撮るのは本当に時間がかかる。
【錦帯橋の川遊び】
ゴールデンウィーク、「錦帯橋まつり」で大名行列をしていた。大観衆の中、大人たちが大真面目に演じている錦帯橋の下で、無邪気に川遊びをしている子どもたちの素直さがなんとも平和で愛しくて、大名行列だけの写真よりも素敵な写真になった。
【古都のカップル】
金沢の街を撮影していると、ちょうどいい位置に着物姿の若いカップルが画角に入ってきてくれた。こちらが笑顔になるほど小粋だった。
【白川郷 岐阜県白川村】
眼下の世界遺産。豪雪の方が絵になる、というのは観光客の勝手な言い分で、土地の人には新緑の季節の方がはるかに良いはず。
【湯島のハタハタ 文京区湯島】
湯島天神の女坂を下った先の軒先でハタハタを天日干しにしていた。その丁寧な仕事の佇まいには古き良き江戸の伝統やら品格やらを感じさせる何かがあって、下町の路地裏でこちらも丁寧にシャッターを切った。
【不忍池の蓮 台東区不忍池】
蓮の花を撮る時はいつの間にか般若心経を唱えている。四国お遍路の経験のせいかもしれない。南無大師遍照金剛。南無大師遍照金剛。南無大師遍照金剛。たまに諳んじると落ち着く。いい絵になりそうな気もする。
【信州の林檎 長野県下伊那郡】
南信州は、中央アルプスと南アルプスに挟まれて朝晩の温度差が激しい環境なので、この土地で育つ野菜と果物はどれも色が深く味が濃い。朝霧に濡れたこの林檎たちも間もなく出荷される。
【GOLDEN WAVES 静岡県南伊豆弓ヶ浜】日本で一番好きな海岸。時々この浜辺に行き、深く呼吸をする。
【GOLDEN WAVES 静岡県南伊豆弓ヶ浜】運が良くて綺麗な夕暮れの日だと、弓ヶ浜は黄金の輝きを見せてくれる。
【GOLDEN WAVES 静岡県南伊豆弓ヶ浜】自然の摂理、宇宙の法則こそが神だと思っているので、どんな教会よりも打ち寄せる波をみている方が、敬虔な気持ちになる。
【夕暮れの浜辺 静岡県南伊豆弓ヶ浜】波のリズムはどうやって決まるのだろう。
【夕暮れの浜辺 静岡県南伊豆弓ヶ浜】打ち寄せる波には真実しかない。
【夕暮れの浜辺 静岡県南伊豆弓ヶ浜】夕陽が指している水辺の色彩は飽きない。
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